第67回選手権 決勝

TEAM

  

TOTAL

宇 部 商(山口)

  

PL学園(大阪)

  

【コメント】
KKコンビの甲子園最終試合。桑田は4連投でも球の走りが素晴らしく、清原に至っては金属バットとはいえど、打球の早さ・飛距離に加えここ一番での一発を打つという精神力。二人はさすがにプロ野球界を背負う資質を持っており、その資質を最後の甲子園で全て発揮した試合だと思います。また、宇部商も佐藤、田処、藤井、福島と強力打線に甲子園で出現した右のエース古谷で優勝まであと一歩でしたが、最後は奇跡のPL、サヨナラのPLの神通力が勝負を決した試合という感じでした。しかし、古谷はノーワインド投法ながら、全身のバネを使ったキレのあるボールを低めに投げるいい投手でした。
【資料概要】
制作 NHK、実況:羽佐間正雄氏、解説:福島敦彦氏。羽佐間アナの淡々としながらも熱い実況は大好きでした。
【試合概略】

1回表、桑田の佐藤への投球は豪快な速球をインコースに。佐藤がジャンプして避ける。その佐藤は3球目をショート横をライナーで抜く、中前ヒット。河村は送る素振りも見せず強行も4−6−3の併殺。

1回裏、背番号11古谷の立ち上がりは、内匠に左中間に運ばれるも背番号1のレフト田上が好捕。安本が中前ヒット後、松山のドラッグバントで2死2塁。清原は初球を高々とセンターに打ち上げ、藤井に捕球される。


2回表、この大会4本塁打の藤井を警戒し、四球。その藤井が自打者:田上の初球に盗塁。予期せぬ盗塁で早急が乱れ成功。続く田上の当たりは1,2塁間を襲うが、松山が腕を伸ばして好捕。1死3塁。後続の福島はライトラッキーゾーン手前まで運ぶ犠飛で宇部商先制。

2回裏、先頭の黒木がストレーの四球で出塁。桑田が一塁線に絶妙の犠打を決め1死2塁。杉本、中飛後、本間がショート頭上を襲う打球も、宇部商:桂がジャンプし好捕。


3回表、桑田が乱れ1死後、岡村への四球と佐藤のショート強襲のヒットで1死1,3塁。河村へも四球で1死満塁となりピンチも。田処、藤井と外角高めの速球で連続三振を取りピンチを脱する。

3回裏、先頭の笹岡が古谷の足元を抜ける中前ヒットで出塁。内匠が犠打で送り、安本四球で1死1,2塁も、松山が真ん中速球に詰まり4−6−3の併殺でチェンジ。2塁手岡村がベース近くのいいところに守ってました。


4回表、田上の難しいハーフバウンドの打球を桑田がバックハンドで好捕。後続も倒れ三者凡退。

4回裏、先頭は清原。追い込まれた5球目、内角高めに入ったシュート回転のストレートを捉え、腰の回転で一気にレフトラッキーゾーンに突き刺さるホームラン。ボールが潰れるんじゃないかって位、振り切ってますね。後続は3人打ち取られチェンジ。


5回表、宇部は桑田の前に僅か8球でチェンジ。

5回裏、本間の代打、今岡がライト線に2塁打。笹岡犠打後、内匠が中前に運んで逆転。でも、内匠の時の投球の判定は古谷には可哀想だったかな。


6回表、この回先頭の河村の当たりは中前に抜けようという当たりを安本がダイビングで止めるも一塁間に合わず無死一塁。田処は3球3振も、4番藤井が桑田の外角速球をセンターオーバーの3塁打とし同点。続く田上がセンターに犠飛上げ、宇部商再度逆転。藤井はこれで今大会の26塁打(大会新)、14打となる。

6回裏、3番松山から。古谷スリーボールから粘投し、三ゴロ。ここで清原登場。2球目の真ん中高めの速球を捉え、打球はバックスクリーン左横の下から15段目あたりに突き刺さる大ホームラン。この日2本目のホームランは前日まで4ホーマーの中堅:藤井の頭上を遙かに越えて大会5本目となる同点ホームランでした。古谷は打たれた瞬間首を垂れてしまいました。なお、清原はこれで26塁打とし藤井に並ぶ。


7回表、先頭桂の飛球は右中間フェンス前までの大飛球もセンター内匠が好捕。古谷がライト前にはじき返し、次打者岡村がドラッグバントも桑田の好フィールディングで岡村はアウト。2死2塁としこの試合佐藤が3本目のヒットを中前にはじき返すも、2走古谷が投手の為に3塁で自重。このチャンスに河村は二ゴロでチェンジ。

7回裏、途中出場の今岡が無死で左前に運ぶが古谷が内匠から三振を奪うなと力投し、無得点。


8回表、宇部商は桑田の前に田処三ゴロ、藤井と田上が三振を完全に抑え込まれる。藤井への勝負球は内角ズバッと速球を決め手が出ず。急速が増した様な桑田でした。

8回裏、松山が粘って四球後、清原が球足の速い打球でセカンド横を抜き、松山が3塁を陥れる間に清原も2塁へ好走。無死2,3塁となり、宇部商ピンチに。5番黒木は前進守備の遊ゴロで1死。桑田は敬遠され、1死満塁から杉本がスリバントスクイズを敢行するも外角球にあわせきれずファールでアウト。途中出場の今岡に期待がかかったが、今度は古谷の速球に遅れ遊フライでチェンジ。


9回表、先頭の福島がライトに大飛球も黒木がジャンプし好捕。1死後に桂が三失で出塁も古谷三振時に桂が盗塁失敗で併殺。玉国監督が苦笑いしてたのはヒットエンドランが失敗した事への笑みだったんでしょうね。

9回裏、PLは笹岡、内匠があっさり打ち上げて2死、左翼:田上の守備はマルチネスより危ないかも...2死後、安本の打球はセンター前に。セカンドが取れる打球かな?と思った瞬間、打球は地面にポトリ。サヨナラのPLという意識が場内に広がりはじめたその時、安本が二盗を成功させ、2球後の古谷の投ずる真ん中直球を右中間に運びサヨナラ。


試合終了後の校歌斉唱時は清原が顔をくしゃくしゃにして泣いていたのが印象的です。桑田は目を瞑ってこみ上げてくるモノを抑えていたような感じでした。

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